2017.2.4 ソン&東響 名曲全集
2017年2月4日
ミューザ川崎
東響 名曲全集 第124回
東京交響楽団
オルガン:三原麻里
指揮:シーヨン・ソン
ジョンゲン
さて、久々にコンサートの感想でも書きます。他にも色々行っているのですが、なかなか書く時間がなく…。
この日は東響の名曲全集に行ってきました。足を運んだ理由はひとえにジョンゲンの協奏的交響曲。オルガンとオーケストラのための華々しい音楽で、録音ではしばしば見かけますが(デ・ワールト盤や、最近ではハーゼルベック盤)、実演では比較的珍しいのではないかなと。
そのジョンゲン、やはり実演で聴くと演奏効果抜群! やっぱりこういう曲は生で聴くに限りますね。壮大なオーケストラサウンドを心ゆくまで堪能することができました。
ただ、全曲で約40分は少々冗長な感じがしなくもありません。私自身が作品の構成を捉えきれていないせいもあると思いますが、もう少し、せめてあと10分くらい刈り込まれていればもっと演奏頻度が上がるのでは…などと不遜なことを考えてしまいました。
それと、オルガンの扱いについては、ほぼ曲全体を通して弾きっぱなしなんですね。オルガンのサウンドを楽しむという点では言うことなしなのですが、あまりにもずっと弾いていると途中から有り難みがなくなってくる(笑) これまた贅沢な話ですが、しかし、オルガンとオケのための作品の代表格であるサン=サーンスのシンフォニーにおけるオルガンの出番の少なさは、やはり極めて効果的な活用方法なのだとあらためて感じましたね。
そのジョンゲンの前に演奏されたのは、バッハの「小フーガ ト短調」オーケストラ版。今回演奏されたカリエ編は、冒頭クラリネットからの開始。他のヴァージョンは何から始まりましたっけ?
その後、ところどころでテンポをギアチェンジするところがあって、それが楽譜の指示なのか指揮者の解釈なのかは不明。
ともあれ演奏は、東響らしく重厚感よりも色彩感や機能性が前面に出たもの。うん、こんな感じでシェーンベルク編のBWV.552もやって欲しい!
後半は「展覧会の絵」。これまたオーケストラサウンドの極致ともいうべき作品ですね。冒頭の佐藤さんTpから見事なものです。その後の各ソロも同様で、ラストのクライマックスの構築も堂に入ったもの。ホールがミューザ川崎だと、ラヴェルが施した工夫が随所で鮮明に聴こえてくるのも良いですね。
ただ、強いて付言するならば、時々指揮者(シーヨン・ソン)の棒が少し先に行くようなところがありましたね。単に先振りをしているだけなのか、オケが反応しきれていないのか、ちょっと判然としませんでしたが、このあたりは客演ゆえの難しさかもしれません。
さらに蛇足ですが、「キエフの大門」の大詰めに出てくる大太鼓は「ずらさない」パターンでした。個人的にはこれで良いと思います(詳細は省きますが、あれは結局誤植だったとかなんとか)。
というわけで、全体としては満足度の高い演奏会でした。