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海原の小舟 別室

クラシック音楽とか

2017.1.21 飯森&東響 オペラシティシリーズ

2017年1月21日
東京オペラシティシリーズ 第95回

東京交響楽団

東響コーラス

メゾ・ソプラノ:エレーナ・オコリシェヴァ
指揮:飯森範親

リムスキー=コルサコフ

交響組曲シェエラザード」作品35
プロコフィエフ
カンタータアレクサンドル・ネフスキー」作品78

 

2階P列(ポディウム席)のほぼ中央で鑑賞。舞台の上、オルガンの前ですね。サントリーやミューザではこちら側にもそれなりに座席数がありますが、オペラシティでは1列のみ。なんだかちょっと緊張してしまいました(笑)。

 

さて、前半は「シェエラザード」。リムスキーの代表作というばかりでなく、各パートに見せ場満載のショーピースでもあり、今の東響を聴く上ではうってつけの選曲と言えるかもしれません。

そうした中、飯森さんは全体にゆったり目のテンポ設定で(特に前半2楽章)、機能的で洗練されたオケの美質を最大限に引き出しているように感じました。コンマスのニキティン氏のソロは情感をしっかりと表出しつつも表情過多に陥ることなく、全体のキャラクターの中にきっちりと収まっていましたね。木管陣もObの荒木さん、Fgの福士さんはじめ流石の一言。Vaセクションがいつになく明晰に聴こえてきたのは、外側配置で楽器がこちら向きだったせいもあるかもしれません。ともあれ、最初から最後までオケの名技に心置きなく浸ることができました。

なお、曲の途中ですごい破裂音のようなものが聴こえて、舞台上では何も起きていないように見えたので気のせいかなと思ったら、Timpの皮が破けたのだそうです。自分の席からは打楽器が見えなかったのでわかりませんでした。そんなこともあるんですねぇ。

余談ながら、個人的に初めて気付いたのが第1曲の終結。最終和音に入るところでHrの4番だけがロングトーンで伸ばし続けているんですね。

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後半は、プロコフィエフの「アレクサンドル・ネフスキー」。エイゼンシテインの映画に付された音楽の演奏会用カンタータです。映画自体は以前DVDで観たことがありますが、なかなか見応えがありましたね。録音ではアバド&ロンドン響(DG)が愛聴盤で、演奏の完成度もさることながらアナログ末期の優秀録音がこの作品のプリミティブな性格と見事に合致しているように思います。

プリミティブと書きましたが、これは作品がもともと映画音楽であることが大きいと思います。作られた1938年当時の録音技術で如何にして効果的に音楽を鳴らすか、という問題に対するプロコフィエフの回答がこの作品でもあるわけですね。実際に演奏を聴いていると、結構音楽が盛り上がっているところで意外と管楽器がトゥッティでなかったりする場面があって、そのあたりも関係しているのかしら。

さてその演奏、全編にわたって気合い入りまくり、いつも通りパワフルな東響コーラスも加わって、現在の東響の最良の姿を見る思いでした。勇敢な兵士たちを讃える第6曲のメゾ・ソプラノ独唱(オコリシェヴァ)は同曲の開始とともに舞台上手から登場、こちらも貫禄の歌唱。

 

弦楽器はいつも通り1stVn14型で、首席クラスは降り番が多めだった印象。そのため、Vaの2プルト表に大角さん、Cbのトップサイドに渡邉さんといったように若い方がいつもより前の方で弾かれていました。これもまた東響の良いところかなぁなんて思います。

 

余談ながら、終演後、隣で聴かれていたご婦人に話しかけられました。聞けば、昨年10月に日本センチュリー響が演奏した「アレクサンドル・ネフスキー」に合唱団の一員として参加されたとのこと。今日のこの演奏会のために大阪から聴きに来られたのだそうです。大変感激されていたご様子で、私も心から同意するとともになんだかとっても嬉しい気持ちになりました。